鏝絵とは家の土蔵や妻壁、戸袋に描かれたレリーフのことです。平らに塗られた漆喰の壁面に、鏝を使って漆喰を盛り上げ、彩色した漆喰を上塗りするというもので、乾燥しきった壁では付きが悪く、壁が生乾きの間に一気に仕上げなければならないため、左官の高度な技術が要求されます。宇佐市内には数多くの鏝絵が残されていますが、中でも安心院町では、明治はじめから盛んに描かれるようになり、約80~100ヶ所に鏝絵が存在しています。しかも、恵比寿、大黒、龍や虎などを描いた大作が多く、幸福を招く招福辟邪の祈りが込められています。特に、下毛・折敷田には100年以上たった鏝絵が密集して残されていることで有名です。